今や知床の高級魚。寿司で食べるのが最高のぜいたく
11月〜2月  古来日本人は赤い魚を尊ぶ。その代表が鯛だが、北海道や東北地方などでは鯛に変わって酒宴の主役を張るのが“きんき”と呼ばれる魚。きんきは北国の正月魚なのである。
一般的にきんきと呼ぶが、目玉の大きな魚の意味で“めんめ”とも呼ぶ。宮城県では“きちじ(喜知次・吉次”と呼ばれる。
海洋水産資源開発センターによると、きんきは、世界の海広しといえど、新潮の影響を受けているオホーツク海の北見大和堆周辺と太平洋岸常磐沖以北でしか獲れない魚だという。オホーツク海で水揚げされるきんきは、水深300〜700メートルで獲れるものである。

 

生の調理
きんきは白身の魚ながら脂肪分が多いので、煮ても焼いても美味。上品な味ながらうま味が抜群だ。
キンキは煮付け、鍋が最もオーソドックスな食べ方だが、やはり一夜干しを勧めたい。深海魚の特徴である身の軟らかさが干すことで引き締まり、味も深みを増すからである。
調理例

◆キンキの一夜干し◆
キンキがおいしくなるのは冬。色鮮やかな新鮮なものを選んで、背開きにする。1リットルの水に食塩25gの割合の塩水をつくり、開いたキンキを十分ほど浸して身を引き締める。表面 を1〜2時間さっと干しただけで食えるが、たっぷり一日干したほうが、味が深くなる。
◆キンキの肝煮◆
キンキのもう一つの楽しみに肝煮(肝臓)がある。産卵を翌春に控えた時期の肝がよく成長していて旨い。同量 の醤油と日本酒、それに少量の味醂を加えた煮汁を沸騰させたところに肝を入れ、2〜3分煮たところで火を止める。まだ肝の芯まで熱が通 らないくらいの肝煮を器に盛っていただく。とろりとして美味である。
■栄養と効能  タウリン・鉄分  貧血予防

旬の図鑑
キンキ(キチジ)カサゴ目フリカサゴ科の海水魚。本州中部以北の太平洋、オホーツク海の水深100〜1000メートルの海底に生息している。1年で9センチ前後になるが、それ以降の成長が遅く年に2〜3センチずつ成長する。寿命ははやく10年で、35センチ前後になる。身は軟らかく白身で、脂肪分が多くて美味。
頭 胴体に比較して頭部が大きく、背の部分から目の下、鰓蓋の部分にかけてフリカサゴ科の魚特有の小さなとげが沢山ある。
目 メヌケ等の深海魚は釣り上げられるとき水圧の関係で目が飛び出すが、キンキの場合は目の周囲の筋肉が発達していて飛び出しが少ない。
ひれ 背びれのとげは14〜16本、尻びれにも3本のとげがある。背びれを立てたときその中央部に大きな黒斑があるのがキンキの特徴。