ウミスズメ研究会のホームページ
北海道マダラウミスズメ調査リポート
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Kim Nelson(キム=ネルソン)女史、Tom Hamer(トム=ヘイマー)氏より寄贈
左:Tom Hamer(トム=ヘイマー)氏 右:Kim Nelson(キム=ネルソン)女史
Photo Click Message (wav_94k) 96/07/04
Japanese (wav_99k)
関係者資料
1996年6月〜7月
日本ウミスズメ類研究会
パシフィック・シーバード・グループ日本海鳥保護委員会
1. 調査に至った経緯と調査概要
日本ウミスズメ類研究会(事務局・東邦大学理学部、代表・青山莞爾=東邦大学理
学部教授)と、パシフィック・シーバード・グループ(本部・アメリカ、以下PSG)
は、(財)日本自然保護協会のP.N.ファンド助成を受けて、今年6月末より約1週間、
北海道の知床を中心に、マダラウミスズメの合同調査を行う。
マダラウミスズメはチドリ目ウミスズメ科に属し、海からかなり内陸に入った老齢
林の樹上に、単独で営巣する変わった習性を持つ小型の海鳥である。日本ではこれま
で小清水町藻琴山山麓でのみ繁殖が確認されており、それが唯一の繁殖確認となって
いる。しかし、発見者らの手記によれば、産卵場所は草地であり、卵は3個であった
。別紙資料のように、マダラウミスズメは老齢林の樹上に営巣することが多く、しか
も卵は1つである。また、最近になってその卵を鑑定したアメリカの研究者によれば
、この卵は明らかにマダラウミスズメのものとは異なっていた。巣があったとされた
付近で成鳥も採集されてはいるものの、確実な証拠となるものはない。
分布は、アリューシャン列島を中心に、東はカナダやアメリカ沿岸、西は日本沿岸
にいたる範囲である。しかし、繁殖に必要な老齢林の伐採に伴い、個体数は激減して
いると思われ、巣もこれまで数えるほどしか見つかっていないことから、生態の解明
と保護が叫ばれている。現在、PSGではマダラウミスズメの小委員会(Marbled Murre
let Technical Committee)が設けられ、多くの研究者が生態調査にあたっている。
日本でみられるマダラウミスズメは、カナダやアメリカでみられるものに比べて嘴
が長いのが特徴である。これまでBrachyramphus marmoratus perdixとして、亜種と
考えられてきたものの、最近の研究では別種とする見解がなされている。
今年度の調査は、マダラウミスズメの繁殖に関する手がかりを得ることが大きな目
的であり、保護の上でも学術的にも意義深いものと思われる。
今回、海外から調査に参加するのは、マダラウミスズメ研究の第一人者であるKim
Nelson(キム=ネルソン)女史、Tom Hamer(トム=ヘイマー)氏のほか、海鳥研究者
のLora Leschner(ローラ=レシュナー)女史ら。日本からは小野宏治(東邦大学理学
部、日本ウミスズメ類研究会幹事、PSG日本海鳥保護委員会委員長)、福田佳弘(日
本ウミスズメ類研究会幹事)、John Fries(ジョン=フリーズ、東邦大学理学部、PSG
日本海鳥保護委員会委員長(小野と共同))をはじめ、日本ウミスズメ類研究会会員
の佐藤美穂子、大槻都子、赤間剛夫の各氏が参加する。さらに、現地より松田光輝氏
(知床自然センター研究員)、川崎康宏氏らが調査に加わる予定であり、調査団は知
床を中心にキャンプをしながら6月30日から7月7日までの約1週間、さまざまな生態調
査を続ける。
(プレスリリースより、 1996年6月20日 日本ウミスズメ類研究会)
※英語ではアメリカ側の基亜種B.m.marmoratusをMarbled Murrelet、B.m.perdixを
Long-billed Murreletとして扱っている。
日本ウミスズメ類研究会
日本ウミスズメ類研究会(Japan Alcid Society)は、1993年の『カンムリウミスズ
メ
の現状と保護』という内容の日本鳥学会自由集会において、集まったメンバーを
中心に、結成された。
ウミスズメ類をはじめとして、海鳥全般に関するさまざまな情報を交換し、研究・
保護活動に貢献することを、おもな目的としている。
一昨年はカンムリウミスズメに関する2度目の自由集会を、昨年はウミスズメ類全
般に関する自由集会をいずれも日本鳥学会大会で主催したほか、会報を年に数回発行
している。また、海外の学会参加や研究者の受け入れなどにより、日本の海鳥研究の
普及と発展につとめている。
会自体の歴史が浅いため、大きな活動実績はないが、メンバーはこれまで個々に日
本の海鳥調査と保護に貢献してきた。
会の運営:
代表(助成金申請等の代表):青山莞爾
(東邦大学理学部・生態学教室教授)
事務局:〒274 船橋市三山2−2−1
東邦大学理学部 海洋生物学研究室 内
Tel.0474-72-5235、 Fax 0474-72-5236
※NIFTY-Serve ID: HCB 00437(小野宏治)
Internet ID: kojiono@gol.com, kojiono@toho-u.ac.jp
URL http://www2.gol.com/users/kojiono/
幹 事:小野宏治(東邦大学理学部海洋生物学研究室)、樋口行雄(三重県津市)
福田佳弘(天売島海鳥調査員)、武石全慈(北九州市立自然史博物館)
中村 豊(宮崎医科大学動物実験施設)
会員:
約120名(1996年6月現在)
これまでの活動実績:
1993年10月 1993年度日本鳥学会大会(愛媛大学)において、自由集会
『カンムリウミスズ メの現状と保護』を開く(代表・小野宏治)
集まった人たちを中心に日本ウミスズメ類研究会を設立
1994年 1月 Pacific Seabird Groupの年大会参加(自費)
1994年10月 1994年度日本鳥学会大会(上越教育大学)において、自由
集会『カンムリウミ スズメの現状と保護II』を開く(主催・日本
ウミスズメ類研究会)
1994年10月 (財)日本自然保護協会より『希少ウミスズメ類の現状と
保護』をテーマに、 第5期P.N.ファンド助成を受ける
1994年12月 『航路センサスマニュアル』発行、
航路センサス(東京〜釧路、七類・境〜西郷(隠岐))開始
1995年 1月 Pacific Seabird Groupの年大会参加(自費)
1995年 2月 『カンムリウミスズメ繁殖現状調査マニュアル』発行、航
路センサス、
カンムウミスズメの繁殖現状調査開始
1995年 5月 ウミスズメ、ケイマフリ、ウミガラスの繁殖現状調査開始
1995年 9月 1995年度日本鳥学会大会(早稲田大学)において、自由集
会『希少ウミスズメ 類の現状と保護』を開く(主催・日本ウミス
ズメ類研究会)
1995年10月 『希少ウミスズメ類の現状と保護氈x(日本ウミスズメ類
研究会発行、
小野宏治・編、180pp.)自費出版
1995年10月 (財)日本自然保護協会より『希少ウミスズメ類の現状と
保護』をテーマに、 第6期P.N.ファンド助成を受ける
1996年 3月 カンムリウミスズメの繁殖現状調査開始
1996年 6月 ウミガラス、ケイマフリ、ウミスズメ等の繁殖現状調査開始
パシフィック・シーバード・グループ(Pacific Seabird Group、以下PSG)
PSGは、1972年にアメリカを中心とする環太平洋の海鳥研究者らで構成された非営
利団体である。年一回の大会を開催するほか、会報『Pacific Seabirds』を発行して
いる。会員約500名、世界に11の支部を持つ。1995年には、カンムリウミスズメをは
じめとする日本の海鳥の保護等を目的に、日本海鳥保護委員会を設置した(現在の委
員長は小野宏治、およびJohn Fries)。
2. 調査参加者
(1)調査者
小野宏治(調査責任者、全体のコーディネート)
福田佳弘(調査責任者、現地のコーディネート)
Kim Nelson
Will Nelson
Tom Hamer
(2)調査協力者
Lora Leschner
Anthony Gaston
John Fries(海外研究者との連絡)
室 大槻都子(会計)
佐藤美穂子
赤間剛夫
(3)現地協力者
松田光輝
川崎康宏
3. 行程表
6月29日 1100- 国際海鳥フォーラム(1600まで)
6月30日 藻琴山麓のキャンプ場
7月1日 知床に移動 夜は調査
7月2-5日 知床で調査
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